【生成AI×事業開発】R&D Function Unit横断の学びの場「AI利活用プログラム」

パーソルグループの中で新規事業の探索・創造や既存事業モデルの変革を担うR&D Function Unit(以下、R&D FU)では、新しい手法や領域の事業開発によって、未来の “はたらく” を創っていくことを目指しています。 

2025年下期にR&D FU各社の非エンジニア系部門の管理職を主な対象として実施した研修では、「生成AI ×事業開発」をテーマとして、全6回にわたる「AI利活用プログラム」を実施しました。 

本プログラムの目的 

本プログラムの最大の目的は、「受講者がAIを“使う人”から、“事業を生む武器として使いこなす人”へと変わること」でした。 

AI機能に振り回され、「何を実現するか」という具体性に欠けた使い方をしてしまうのではなく、AIを武器として使いこなし、ビジネスを自律的に企画・推進する能力を獲得・向上させるために実施しました。 

受講対象者は各社の事業責任者や部門長などの管理職や役職者の約50名です。まずは「最前線のリーダーが深く理解し、品質や情報のゲートキーパーとなる」ことで、結果的に組織全体のAI利活用のスピードを引き上げるという意図がありました。 

さらに、本研修は1回あたり約5時間のセッションを全6回行い、毎回異なる5名の専門講師陣を迎え、圧倒的な量と質にこだわりました。

運営の協力をしてくださったASCII STARTUP(角川アスキー総合研究所)の方や、講師の方からも「単なる生成AIの活用にとどまらない『生成AI × 事業創出』というテーマでの開催自体が珍しく、また、多忙な役職者を集めてここまでの時間を投資する取り組みは先進的であり、本気度がうかがえる」とコメントをいただきました。 

知識から実践へ 全6回のプログラム 

本プログラムは、単なる知識の列挙ではなく、参加者が自らの手で新規事業を創り上げるまでの連続性を重視して設計。どの講義も単に座学で学習するだけではなく、実際に手を動かし、脳に汗をかくような実践形式を取り入れました。 

【全6回のプログラム内容】 

  • 第1回:「生成AIの基礎とビジネスへのインパクト」 
    まずはAIブームの全体トレンドを把握し、主要LLM(ChatGPT、Gemini、Claudeなど)の使い分けや、プロンプトの基礎知識を習得。AIに対する正しいリテラシー(利用者視点)を身につける。 
  • 第2回:「AIを活用した事業アイデア創出のキホンを学ぶ」 
    AIとの壁打ちを効率的に進める方法や、各種フレームワーク(フィットジャーニー法、リーンキャンバスなど)を用いた発想術を実践。実在企業の事業をAIで事例分析し、「課題起点」の事業アイデアを量産する手法を学ぶ。 
  • 第3回:「AIを活用した事業開発の具体を学ぶ」 
    発想から仮説化、実証、事業化までの流れを理解し、自身のアイデアにAIを用いながら企画書に落とし込む。専門家からのフィードバックを通じて、データリテラシー(企画者視点)を磨く。 
  • 第4回:「AIを活用するからこそ気を付けたい仕組みを学ぶ(要件定義)」 
    生成AIを活用した課題設定やペルソナ設計、要件定義、プロトタイプ作成を実践。同時に、法的・倫理的なラインなど、AI利用時の安全性(越境移転やプライバシーの問題など)についても理解を深める。 
  • 第5回:「AIを使った事業の実装と、裏側の理解(プロトタイプ〜発注実装)」 
    企画と要件定義から実装への落とし込みを学ぶ。社内提案のポイントや、エンジニアとのコミュニケーション方法など、AIプロジェクトをチームで進行する上流工程のスキルを獲得する。 
  • 第6回:経営陣への最終プレゼン(新規事業案の創出) 
    「AIを使った新規事業・既存事業の変革」をテーマに、各チームがAIを壁打ち相手として練り上げた事業案を経営層に向けてプレゼン。審査員によるMVP・審査員賞を発表する。 

第6回で行われた最終プレゼンテーション 

最終回では、各チームがAIを活用して磨き上げた事業案を、審査員と全受講者向けに直接プレゼンテーションしました。 

審査を行ったのは、R&D FUの経営陣8名と講師の2名です。発表の後には発表者に向けて審査員から質疑応答があり、経営観点での鋭い指摘や白熱した議論が繰り広げられました。 

発表されたテーマは、観光、教育、住まい、飲食、バックオフィス業務、組織改善など多岐にわたります。 

たとえば、観光地での混雑や購買体験の課題を解決するサービス、子どもの個性や成長を支援する教育領域のサービス、マンション管理を円滑にするため地域コミュニティに着目したサービス、会食の調整負担を軽減するサービス、飲食店の離職防止を支援するサービス、バックオフィス業務の自動化・改善を後押しするサービスなど、各チームが身近な課題や社会的な課題を起点に事業案を構想しました。 

いずれのプロジェクトも、生成AIを単なる業務効率化の手段として使うのではなく、課題の深掘り、ユーザー像の整理、提供価値の具体化、リスクの洗い出し、プロトタイプ検討など、事業開発のプロセス全体にAIを活用していました。 

審査員は、課題設定の深さ、顧客価値の明確さ、事業としての実現可能性、検証プロセスの具体性に加え、それらの検討過程でAIをどのように活用しているのかという観点から各チームの発表を審査し、MVP最優秀賞と、講師賞を決定しました。 

R&D FU経営陣からのメッセージ 

発表・審査の後には、受講者に向けて審査を務めたR&D FU経営陣から今後の期待が語られました。 

 「AIの活用により、個人の仕事のスピードは10倍、100倍へと劇的に向上し始めているものの、組織全体のスピードがそれに追いついていません。個人の作業が爆速化しても、組織のルールや意思決定が変わらなければ、ボトルネックが移動するだけです。AIによって個人の仕事が変わる今、ぜひ受講者の皆さんが先頭に立って組織のルールそのものを変えていってほしいと思っています。」(R&D FU長 長井 利仁) 

本プログラムを企画した担当者のコメント 

R&D FUでは特に、グループの未来をぬりかえられるソリューションの探求・開発を行なっている一方、AIガバナンスの守り体制は整備できたものの、攻めを担う非エンジニア管理職のAI企画・構想力が追いつかず、周回遅れになる強い危機感がありました。企画当時、市場にはプログラミングやツール利用の研修しかなく、我々の真の課題であるAIビジネス企画力を統合的に学べるものを探求した結果、本プログラムの独自企画に至りました。本研修を通じ、技術とビジネスを繋ぐ有識者が多数生まれ、非連続的な成長を牽引してくれることに期待しています。 

新手法、新領域に挑戦し続ける R&D FUのAI活用 

本プログラムを受講した参加者のアンケートでは「AI活用の根幹をチームメンバーにインプットできたことで、メンバーから出てくるアウトプットの精度も高まった」などの声がありました。また、研修後に資料作成の工数削減や、チーム内でのナレッジ共有、開発エンジニアとの打ち合わせ前にAIと壁打ちを行って懸念事項を洗い出し、スムーズな合意形成に活用している、などの活用例が寄せられました。事業の創出や進化を起こすのはこれからですが、具体的な成果や行動変容が現場の最前線で生まれ始めています。 

R&D FUは今後も、今回培ったノウハウやナレッジを組織全体へ波及させ、AIを駆使した新手法・新領域の事業開発を力強く推進していきます。 

※文中の所属・役職は、本研修実施時(2025年12月~2026年3月)のものです。